世の中には熱い物もあれば冷たい物もありますし、温かい場所、涼しい場所があります。
ついなんとなく世界をサーモグラフィーのように捉えて、当然のように温かい空気もあれば涼しい空気もあるものだなと思ってしまったりするのですが、「温かい」とか「涼しい」とかそういう感覚は皮膚の細胞が感知した刺激から脳が生み出したものであり、もし仮に生物という概念自体が無ければ、この世界には温かいも涼しいも無く、あるのはただ “空気分子がどれだけ活発に動いているか” だけです
「色」だって同じで、世界にははじめから色が付いているような気がしていますけどそれは生物ありきの話で、本当にそこにあるのはどの物体がどの波長の光を反射するかという物理的性質のみです。
だから、淹れたてのコーヒーを目の前にして「その温度や色はどこにあるか?」と言われたら、コーヒーそのものにではなく私の中にあるのですきっと。
Title:体温がない
artist:あそ(aso)
date:2020.11.15